2024.10.13
高齢者のうつ症状は服用薬を見直して
- 健康・病気
保健師ホメオパスの末田です。
眠れない、寝つきが悪い、すぐに目が覚める、夜中に目が覚めたら覚醒してしまうなどといった眠りの問題で悩む方は少なくないですよね。私の手元にある「治療薬UP-TO-DATE」(メヂカルフレンド社)には、睡眠を促すお薬としてベンゾジアゼピン系(BZD)と非ベンゾジアゼピン系(NBZD)のお薬が約10ページにわたり細かく記載されています。
カナダ・ケベック大学モントリオール校のArnaud Allary氏らの研究によると、ベンゾジアゼピン系の服用が抑うつ傾向や不安の増強、不眠などを招くとの報告がありました。60歳以上の参加者73例を対象に、4ヵ月間の服用中止プログラムを実施、16ヵ月で4回の評価を行ったとのこと。
ベンゾジアゼピン系の服用中止により、一時的には睡眠の質の悪化がみられたものの、3か月後には有意差が無くなり、長期的には抑うつ症状の軽減がみられたとのこと。
そして、ベンゾジアゼピン系の薬の服用量を増やすことで、その高齢者の不安が緩和するという結果は得られなかったそうです。
研究者は結論として、ベンゾジアゼピン系薬剤の服用中止は抑うつ症状を改善する可能性があり、服用中止による不安の増強と睡眠の質の変化には関連しなかったため、高齢者において長期に服用することの意味について疑問を投げかけています。
高齢者におけるベンゾジアゼピン系薬剤中止の長期的影響:抑うつ状態改善の可能性
現在日本で発売されているベンゾジアゼピン系抗不安薬。よく使われているものの作用時間と効果の強弱を一覧表にまとめてくださっているのが精神科のお医者さん。
良かれと思って飲んでいるそのお薬が、かえって健康に害を与えている可能性もあるということです。
食べるもの、飲むもの、口に入れるものはみなさん確認するはずです。
お手持ちのお薬も同じこと。今一度しっかり確認してみましょう。
不安軽減のレメディ
ホメオパシーでは高齢者に限らず不安や不眠症状に悩む方々にとても重要なレメディがあります。
たいていは6Cから30Cといった希釈率のレメディを使うことが多く、セルフケアでうまくいかないときにはホメオパスの健康相談をご利用ください。
Acon:アコナイト
不安やパニックなどの急性症状に用います。のどがカラカラになって冷や汗が出るような状態にまさに素晴らしい役割を果たします。
Amyl:アミルニット
更年期の女性の不安に用いられることが多いです。不安症状は喉が詰まったような感じとしても現れたり、悪いことが起こりそうだという先行不安が強く、周囲の励ましなどのサポートによって落ち着きます。
Calc-c:カルカーブ
もともと真面目で繊細さんです。閉所恐怖症や暗所恐怖症なども併せ持ち、気が小さいのでハラハラしたことが起こるとじっとり汗をかいたり、おなかが痛くなったりします。どちらかというとぽっちゃり型の体型でゆったりした衣類を好みます。
Cimic:シミシフーガ
けっこうおしゃべりでイライラしています。本当は家族や家庭の役割などから解放されたい、落ち着いた状況を求めているのですが、一方で一人が不安で怖がります。立ったり座ったりするときに膝がポキポキなる傾向があります。
Hyper:ハイペリカム
身体をオフセットにする良いレメディです。ハーブ酒としても販売されていますが緊張をほぐりリラックスさせます。立っている気を落ち着かせてくれます。
Ign:イグネシア
悲しみの代表レメディとして知られ、お葬式の時など「別離」がkeywordですが、このレメディは「がっかり」という精神状態にもマッチします。腹が立って苛立つのですが、そのあとに落胆する。ふさぎ込んで自省する、そんなパターンを繰り返す方にはもってこいです。ペラペラ喋るPulsポースティーラさん(後述)とは異なり、心の内をなかなか明かしてくれず一人苦しむこともあります。
Lach:ラカシス
スタイルは細身の方が多いです。おしゃべりでその話が面白い。どちらかというと口は悪いのですが魅力的でひきつけられるゴージャスさを持ちます。血液や循環器の症状で悩んでいる人もいます。会話中に話題がどんどん変わり、あれ何の話をしてたんだっけ?という感じ。しゃべりながら大量の汗を顔にかき顔が赤くなる(うっ血する)こともあります。どちらかというと「ハイパー」状態ですが、興奮と落ち込みを交互に繰り返します。そして落ち込みは夜が多く、朝がなかなか起きれません。
Puls:ポースティーラ
嫌われる、ぼっちになる、捨てられる…そんなことにビクビクして不安に思っています。家族がどこかに行ってしまうのではないか、退院後は施設に入れられてしまうのではないか。それが気持ちを落ち込ませ眠れなくなります。体質的には、あまり水を欲しがらず、油っこいもので下痢をしやすいです。
日暮れ時になると不安で徘徊行動に発展したり、ナースコールを頻回に鳴らす高齢者はこのレメディが役立ちます。
Sep:シイピア
更年期や出産などの女性ホルモンの変化の時期にある人たちの心の悩みはSepがとても役立ちます。疲労困憊で自分の時間を欲しがります。家族とか、仕事とか、遊びとか、PTAとかが邪魔くさく面倒でクールダウンをしたいと切望しているのにもかかわらず、忙しさでそれがかなわない。元来、がんばり屋さんなのですが優しいがゆえにやりすぎて気持ちがどんどん沈んでいきます。
Sul-ac:ソルアック
気持ちは逸るのに物事がテキパキできないと言って嘆きます。実際はできているのですが当人は早くこなすことができないという感覚があります。とくに夜に寝汗でびっしょりになり、眠れないと言ってアルコールを要求したりします。酒豪家の不眠にも〇です。
今日はこんな感じで。今回も最後までお読みくださりありがとうございます!