2022.07.14
HIVと精神不安とコロナ
- 健康相談
健康相談を終え3年ほどが経過したので、ある症例をご紹介します。
インターネットで検索して当相談室を訪ねてくださったお客さま。この方の主訴はパニックアタックでした。
以前は国内外を行き来しながらアーティストとして精力的に活動されていたようです。お話を伺っているうちにその方が長らくHIVで悩まれていることを打ち明けてくださいました。
長い病歴もうかがいました。その間に医療に対する不信が募り、精神科系の薬もHIVの薬も自己中断して5年以上が経過。とくに精神の薬による禁断症状に苦しんでおられました。
コロナの感染拡大による就労規制、行動規制がパニック発作に拍車をかけたようで、社会的環境不適応者として今まで培ってきたキャリアが崩れてしまっている状態とお話ししてくださいました。
自殺未遂による精神科への入院歴もあり、わたしは自分ができることを探りながら慎重に健康相談を重ねていきました。
こういったクライアントさんは非常にセンシティブな面があります。レメディを開始したことによるちょっとした心身の変化にも敏感で頭が混乱してしまいがちです。
また、レメディによって健康状態が改善してくる実感が完治への焦りに拍車をかけるようにも感じました。電話やメール、時には途中相談という形で対話を重ねながら「ゆっくりいきましょう」と繰り返しお伝えしていきました。そうして少しずつ精神が安定してくるとHIVの予後が心配になられたようです。
コロナのパンデミックが重なり、もともと服薬自己中断というHIVケアの不十分さを悔やんでおられる背景に加え、呼吸器感染症の発症をおびえるようになりました。
私は海外ホメオパシー薬局のHIVに関連するレメディを一通りそろえ、クライアントさんの不安緩和に対応しました。注文から私のところへ届くまで長くて1か月ほど要しますので、次回の継続相談まですぐに対応しなければなりません。
日常生活のささいな怒りで頭の表面がチカチカしてきて、考えすぎると顔のしびれが強まり、HIV脳炎を発症してしまったのではないかという不安が襲ってくるのです。HIVキャリアということが根深いトラウマとして彼女を支配しているように感じました。
彼女自身はイギリス在住時代からホメオパシーを利用しておられるユーザーですが、難治性のHIVに関してはプラセボ効果としても大いに期待している、と言われてニッコリ笑うほどでした。
わたしとのつたないやりとりであっても安堵につながっていることが、当初はとても険しかった表情がどんどん柔らかくなっていることからも伺えました。
今は、HIV抗体(CD4)の数値が保持できている状況下において、かかりつけ医の定期受診を重ねながら体調管理を行っています。
ご自身の基礎疾患と付き合うための持続可能な方法、ホメオパスとしてどう対応すべきかなど、このクライアントさんから学ばせていただきました。
※ホメオパシー健康相談をご希望の方へのお願いですが、日本においては特にホメオパシー療法へのバッシングが後を絶ちません。いたずら目的に悪意のあるお申し込みを避けるため匿名相談に応じることはできません。もちろんお客さまの個人情報は厳守いたしますのでご安心ください。
※新型コロナのパンデミックとHIVの流行が相互作用して、発病の負荷に拍車がかかることを「シンデミック」と言いますが、さまざまな感染症を引き起こしやすいHIV患者さんにとってそれは非常な脅威となります。
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