健康コラム

2022.09.24

幻聴と妄想の妹に困っています

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健康相談の統合失調症ケースをご紹介します。もう3年以上前のクライアントさまで、今でもレメディの追加購入などにお越しになり、近況報告を受けています。

相談者はお姉さんでした。姉妹は独身で年金受給者の年代です。ご両親亡き後は一緒に暮らしています。数年前から妹の様子がおかしい、買い物や食事、入浴など身の回りのことはできるけど精神的に異常をきたしていると思うとのことでした。「向かいの隣人からライトを照らされてまぶしい、いつも見られている」などと妄想が始まったそうです。
はじめは勘違いかと思って対応していましたが、攻撃的な態度が見え始め、隣人に向かって大声で叫んだり、怒りのあまり警察を呼んで苦情を申し立てるようにもなったそうです。

ある日、気分転換に姉妹で熊本県山鹿市のレストランでお食事をした際に、ホームレメディ熊本のパンフレットが目に入りホメオパシー相談のお問合せをくださいました。

最近では隣人と自分(姉)がグルになって意地悪をしていると疑心暗鬼なんだそうで、当相談室に問いあわせの電話をかけている最中も、妹が疑うのであまり長時間席を外すことができない、妹がトイレに行っている隙間時間に電話なさっている状態でした。

病識のない妹さんに対し、医療従事者の職歴をお持ちのお姉さん。
妹が精神的に病んでいるということは気づかれていましたが、病院への不信感が強く受診を躊躇なさっておられました。医療現場の内情を知りすぎているが上に、医師やコメディカルに対して厳しい視点でとらえてしまうのかもしれません。

どうにか、妹さんと連れ立って当相談室の初回相談にお越しになりました。
妹さんご自身から状況を聴くことができレメディ選定に大変役立ちました。
お持ち帰りいただいたのはHyosハイオシマスという猜疑心の強いレメディを中心にまずは1か月間お取りいただきました。
Hyosの精神状態は、疑り深いためにホメオパスが渡したレメディを毒だと言って取ってくれないこともあります。ご本人と面談できたのが幸いで、私と直接お話したことで1か月の継続を約束してくださいました。

お姉さんには、比較的患者さんのお話を聴いてくださることで評判の良い心療内科をご紹介しました。また、実は妹さん以上にお姉さんの健康状態が悪いということが分かりました。聞けば乳房に大きな腫瘍ができており、それをセルフケアでビワ湿布したり冷え取りなどで処置しているとのこと。
化学療法や放射線療法は実母の介護の際にひどい状況になったので、絶対に嫌だとおっしゃるのです。
私は、問診が長く温和なことで有名な内科医院をご紹介しました。

妹さんはHyosのレメディを取りながら、少しずつ病状は改善してきていたようですが、10日ほどたった頃から「これは毒かもしれんから取らん」と摂取拒否が始まりました。ホメオパスとお約束したものの、これは年齢的な認知の問題とも関係しているのかもしれず仕方がありません。
ご紹介した病院で少し気持ちが安定するお薬を処方され様子を見る、となりました。


お姉さんも、ご紹介させていただいた医院を受診。看護師の態度は少し不満な部分があったようですが、Drからお話を聴いてもらって今までとは違った印象を抱いたようです。
妹さんのレメディの効果に安堵したのか、お姉さんご自身の健康相談を約1年間続けました。これについては、今後いつかのタイミングで記事にしたいと考えています。
お姉さんが受診した内科で行われている精神科デイケアが、なんと妹さんにぴったりだったようで、定期的に通院して今までの精神状態が明らかに変化していったとのこと。

※精神科デイケア:精神障害のある人が、社会参加や社会復帰などを目的にいろいろなグループ活動を行う通所施設で、スポーツや創作活動、料理実習などのプログラムがある。精神科リハビリテーションの一つで精神疾患の再発防止に効果があり、健康保険が適応される

薬をきちんと飲むことで症状はある程度コントロールできるようになり、徐々に減薬していったそうです。デイケアにいく楽しそうな妹の姿にお姉さんは一番喜んでおられ、自分も外出できる時間が増えたとおっしゃいました。

精神科領域の症状では、何より患者さんご自身が落ち着いて在宅生活を送れるかが大事になってきます。これが家族の落ち着いた生活に不可欠のポイントです。

現代医薬や社会的な福祉サービスをうまく利用して、健やかな毎日を過ごすことこそが人生のすばらしさですね。病院やクスリをかたくなに拒否するのではなく、ご自身のライフスタイルや信条に合った方法を見つけるお手伝いが、保健師&ホメオパスという立場を通して少しでもお役に立てると嬉しいなと思います。

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