2021.10.16
今やワクチンのターゲットは高齢者の「免疫老化」
- 予防接種
- 新型コロナ
今日はワクチンの話ですが、この話には白か黒かの答えはありません。みなさんお一人お一人が考える参考情報としてください。
昔、ワクチンの目的は乳児死亡を予防するためでした。しかし、今は環境が改善されたためか、がん予防(例:子宮頸がんワクチン、B型肝炎ワクチン)や集団免疫(例:風しん、新型コロナ)が目的でワクチン接種が推奨されるようになりました。
ワクチン接種は病気を未然に防ぎ、無駄な治療費を削減できるメリットがあるとされ医療経済学的に優れた選択だといわれています。
免疫老化に対処するにはワクチン?
小児期に接種したワクチンは、風しん、B型肝炎に代表されるように、ワクチン抗体は25歳をピークに低下していくといわれています。このため「免疫老化」が問題視されるようになりました。
つまり、今やワクチン予防は高齢者にとってより重要な位置づけになっているのです。
感染症は、がんの化学療法後の患者や自己免疫疾患、臓器移植後の患者にとっては死因となります。これらは50歳以降に多い疾患です。ワクチンで積極的に予防しましょう、というキャンペーンはたしかに信ぴょう性を感じますね。
さらに、免疫反応を高めるために、アジュバントを高容量にしたインフルエンザワクチンは、より脆弱な人々(高齢者や免疫不全者)への接種が推奨されています。
乳幼児期は、国策でワクチン接種が推奨されているので接種率はある程度維持できています。しかし、高齢者に対しては小児ワクチンのような定型のワクチンプログラムがなく、個人の判断にゆだねられています。
だからこそ、有名芸能人を使って一生懸命コマーシャルされているんですね。
「免疫老化」に対処するために、免疫系を刺激する高容量投与やアジュバント添加したインフルワクチンは高齢者におススメだとわいれています。
おたふくかぜや水ぼうそうのように、子どもの感染症(小児感染症)は免疫の成熟に重要ですが、高齢者の感染は慢性疾患を悪化させる可能性があというのです
(例:高齢者のインフルエンザ発症後の心筋梗塞など)。
高齢者に奨められる帯状疱疹ワクチン
では、そのワクチンの効果はいかほどなのでしょうか?
高齢者のワクチンで推奨され始めているのが帯状疱疹ワクチンです。
新型コロナのワクチン接種後に帯状疱疹を発症するケースがあり、その予防として帯状疱疹ワクチンを接種し、その後にCOVIDワクチンを打ちましょう、と耳にした人もいるかもしれませんね。
(ちなみに帯状疱疹ワクチンは先進国では声高に言われていますが、発展途上国では優先順位はかなり低いです)
製薬会社の教育動画(英語)によると、帯状疱疹ワクチンの有効性は高く、50歳以上の人14000人に対して行った研究(2回接種で接種後4年間の追跡)では、下の図のように全感染者数のうちワクチン接種者は6名、プラセボ接種は210名でした。
しかも、この帯状疱疹ワクチンには、高齢者の免疫老化を克服するのに役立つアジュバントAS01β(組換え糖タンパク質E)が余分に追加されています。
下の表を見ると、帯状疱疹ワクチンのワクチン有効性は、50〜59歳の個人で96.6%以上、70歳以上の個人で97.9%となります。
高齢者はすでに、百日咳/ジフテリア/破傷風のDPT(三種混合)ワクチンや肺炎球菌ワクチンが積極的に推奨されています。
そして新たに、推奨されている帯状疱疹のワクチンは、アジュバントを含んだものに変えられ加齢によって低下している免疫抗体反応を奮い立たせるために毒性の強いものとなったといえます。
たしかに、新型コロナ感染の流行のように、現代のグローバリゼーションはすなわち、病気を急激に拡散することも意味しています。
一気に感染が拡大する、これは恐怖です。感染症によって持病が悪化する、これも恐怖です。免疫が老化している、これも恐怖です。
こういった金太郎あめのような恐怖は果たしてワクチンで予防できるのでしょうか。
今や、高齢者施設への入所の条件として、肺炎球菌や帯状疱疹のワクチンの接種証明が必要な時代に突入しました。
しかも、肺炎球菌は5年ごとに再接種、百日咳も10年ごとに再接種です。(帯状疱疹の接種間隔はまだ未定)
そして入所者は毎年新型コロナとインフルエンザのワクチン接種が必要になりつつあります。
ワクチンパスポートなしには入所できないという仕組み自体はいかがなものかとも思いますが、個人の接種の疑義に関しては評価は不要です。
ご自身にとって必要だと判断すれば接種すればよかろうし。ただ、昭和時代の高齢者は帯状疱疹を恐れていたのか、知らぬが仏だったのか…
この、ワクチン接種するしない問題、どれを打ったらいいのか迷う問題、、、、乳幼児の保護者だけでなく高齢者も頭を抱える時代になったといえるでしょう。
「ゆりかごから墓場まで」はワクチン接種に当てはまるのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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