2023.03.15
増える梅毒と疑似梅毒
日本で梅毒が流行しているというニュースを耳にします。昔、熊本県の天草地方では「からゆきさん」という名で海外に売られた少女たちがいました。
看護学校の教員をしていた頃、70代の社会科の先生がお勧め本として紹介してくださったのが、この本との出会いでしたが衝撃的な内容でした。
山崎朋子著のノンフィクション「サンダカン八番娼館」
貧しい地域の親が(というか地域全体)が異国に女の子を売るのです。13とか15歳くらいの幼子です。国策なんだと書かれていました。船で出港する彼女たちを国は黙認しているわけですね。
本文の中には、行為をした後に洗面器に入った消毒液で性器の周りを消毒することも書かれています。これは性行為感染所を防止するためですね。特に梅毒や淋病。
で、平成から令和のこの時代に増えつつあるという梅毒に話を戻します。
梅毒は接触感染なので他人の粘膜や皮膚と直接接触しない限り感染することはありません。不特定多数の人と性行為をするのは危険。下半身が無節操な人はリスクが高くなります。
上のグラフを見ると、感染拡大の一番大きな原因は不特定多数との性行為を行う20代の若い女性が昔よりも増えていると推測できます。
今回私が記事にするのは若い女性の梅毒治療経験ではありません。2年前に経験した、81歳の女性の梅毒陽性の不思議。これは今でも私の中ではハテナマークです。
後期高齢者の梅毒経験
ホメオパシー健康相談でご家族から依頼があったのは、81歳の母親の眼球の濁りでした。もともと弱視傾向はあったようですが50代の時に白内障の治療をして眼内レンズ設置。ここ数年の間に徐々に片方の視力低下を感じはじめ、眼球にカビのようなモヤモヤが出ているとご家族が気づかれたのです。
翼状片(よくじょうへん)のようにも見えましたが、ちょっと違う。
私はCineシネラリアやEuphrユーファラジア、Silシリカなどのレメディとともに、Syphilinumスフィライナムという梅毒のレメディをお出ししました。当然ですが、眼科受診も促しました。
診察の結果は、眼内レンズの脱落。
30年前に埋入したレンズが、加齢による筋力低下によって徐々に下がっていたようです。眼内レンズ入れ替えの手術となりました。
そして、術前検査が終わりご家族から経過報告も含め連絡がありました。
母の術前血液検査で梅毒が陽性だったというのです。
これには私は耳を疑いました。
梅毒トレポネーマは接触感染で広まります。新型コロナのように、飛沫感染などでうつることはありません。この80代のお母さまは50年ほど前に夫を亡くされており、現在お一人暮らしで接触の機会はあり得ません。5年ほど前に大腿骨の人工骨頭置換術の既往がありますが、術中に血液感染が生じるということは現代において考えられないのです。
とすると、なぜ梅毒が陽性になったのか?
ホメオパシー学生時代に、講師の由井寅子さん(ホメオパシーin Japanほか書籍多数)がアレルギーの抗体検査の経験談を話されたことがありました。クライアントにホメオパシーのレメディを処方している期間中は、一時的にIgE抗体があり得ない高値で検出されという経験です。
言わずもがな、レメディは非物質で「ただの砂糖粒」または「ただの液体」です。
しかし、レメディという非物質であってもそのパターンが水に溶けて活性化した場合、私たちの体の見えない生命力は共鳴反応を起こすのかもしれません。
今回、私の経験した梅毒陽性の高齢者のケース、これもSyphのレメディによる一時的な検出としか考えられません。
ホメオパシーの不思議、検査数値では理解できない世界があるのかもしれません。