2023.04.11
アトピー治療薬のデュクピセント
- ホメオパシー
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悩ましいアトピー性皮膚炎。小さいころから喘息とワンセットで過ごしている方もいらっしゃることでしょう。今から夏になり肌を露出する機会が出ることに抵抗感を感じる方もいるはず。
見られるということに対する不安感です。相手はこの湿疹を見て何と感じるだろう?感染性のものでうつると思われるかな、不潔と思われるかな、しわくちゃで老けていると思われるかも…。
慢性湿疹で悩む方は、視線に非常に敏感です。
なんとか対処したいと思っても、現実にはそう簡単にいきません。もちろん、ステロイド軟膏などで抑圧すれば話は簡単で勝負は早いのですが、それを知っていても使用をためらうのは、一時的な抑圧にしか過ぎないということも同時に知っているからです。
慢性湿疹の原因追及のために、ハウスダストや食べ物、花粉などさまざまなチェックもすでに完了しているかもしれません。湿疹のおかげでお部屋掃除がとても上手になったという話もよく耳にします。つまり、ちょっとした環境の変化やストレスにも敏感に反応してしまう方もいて、湿疹が悪化する原因となります。そして、お風呂石けんや洗濯洗剤、シャンプーに至るまでさまざまな商品を試し一喜一憂しています。
朝起きて、ほんのわずかでも湿疹が改善していることに喜びます。たとえ、その理由がはっきりとわからないまでも(科学的な根拠がわからなくとも)ほんのわずかに湿疹の改善が見られただけで、明日に向かう気持ちが湧いてきます。ひどい湿疹を経験したことのない方は分からない思いかもしれません。
毎日、私たちが想像する上に原因除去のために血まなこの苦労をしながら戦っています。私はその状況に深い深い敬意を表します。
とある慢性湿疹の投稿サイト(英語圏)で、Dupixentデュクピセントという治療薬の紹介がありました。2018年からこれを使用し始めて人生が変わった、と投稿なさっていました。
夢の新薬デュクピセントの光と影
デュクピセントは、免疫抑制剤です。免疫細胞から出される炎症物質サイトカインの働きを直接抑え、過敏症状を落ち着かせる薬です。インシュリンのように2週間おきに皮下注射しますが、これが保険適応3割であっても1回の注射の金額は初回の患者負担額は37,000円(クリニックに入るお金は約10万円)、2回目以降は18000円(クリニックは約6万円)とかなり高額です。
4ケ月ほど継続して治療効果がなければ中止します。
2018 年 9 月に欧州皮膚科学会と性病学会で発表されたデュクピセントの臨床試験の結果は、 2 週間ごとに投与された患者の 41.5%、そして 4 週間ごとに投与された患者の 38% が、少なくとも湿疹症状の 75%が緩和したと発表しました。同様の改善をしたプラセボの患者は8%の改善でした。
アメリカ人の10人に一人がアトピーで悩んでいるという現状にあって、夢の治療薬というデュクピセントの登場ですね。
しかし、そのDupixentデュクピセントも悲しいことに副作用があります。
いちばん好発する副作用は、注射部位の腫れや痒み、目(とくに瞼の発赤や腫れ、かゆみなど)、口唇ヘルペスなどです。免疫抑制をするので、治療中もしくは治療終了後しばらくは生ワクチンの接種はできません。そして、頻度は少ないものの重度のアレルギー反応や目の痛み、視力低下などの深刻な副作用を引き起こすことも分かっています。
アトピー性皮膚炎は手ごわい慢性症状です。
悪化している全身は、赤くなり、ジュクジュクとした汁がでたり、逆に至る所がバリバリに乾燥して、小さな切り傷やひび割れの激痛に悩みます。見た目は火傷のようにただれていることもあります。視線恐怖におびえ、痒みによる不眠に悩み、出口のない途方もない道のりのように思え、気持ちが砕け散ります。
一喜一憂しながら、努力が比例して皮膚の緩解という実りにつながらず、悪魔に魂を売りたくなる気持ちにもなります。
ホメオパシー健康相談でも慢性湿疹の問題解決は難航しますが、できるだけ自然療法でと希望なさる方はどうぞご予約を検討ください。
参考リンク:https://www.support-allergy.com/
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