2023.10.26
認知症を予防する生活とは
- 健康・病気
私が尊敬するMASホメオパス。いつもさまざまな情報を提供してくれます。私の大事な情報ソースのひとつでもあります。
彼女が先日、アルツハイマー型認知症の新しい治療法について取り上げたドキュメンタリー映画「Memories for life」(Reversing Alzheimers)を紹介してくれました。
監督は日本人の時川英之さん。ですが全編英語の映画です。私は翻訳機(ポケトークみたいなやつです)片手に3倍の時間をかけて理解しました(-_-;)
映画の内容は、アメリカの著名な神経科医であるデール・ブレデセン博士によって開発された、アルツハイマーの画期的な治療アプローチです。今日は、この興味深い内容についてご紹介します。
アメリカで現在500万人の人がアルツハイマー型認知症と診断され、死因の第3位を占めています。2050年にはこの数字は3倍に膨れ上がることが予測され、新薬開発が急ピッチで行われていますが、今販売されているアルツハイマー治療薬は、症状の進行を遅延させるだけで症状を改善させることはできていません。
日本社会でも、認知症の爆発的な増加は今後の課題となっています。ベビーブーム世代が認知症になり始めるのです。そうなると医療システムは破綻することが容易に想像できます。
デール・ブレデセン博士は、アルツハイマーの患者の脳を調べるわけですが、当時からすでに、アルツハイマーの患者の脳にはβーアミロイドという物質が発見され、この物質こそがアルツハイマーの主因だと言われていました。
アルツハイマーは長期間の潜伏を経て発症に至るわけですが、このβーアミロイドは発症の20年前から脳内に形成され、40代の年齢ですでに確認できるというのです。
このアルツハイマーのアミロイドに対して、主軸となる治療薬は5種類。しかし、これらは病気の進行をわずかながら遅延させ、症状を一時的に緩和するだけです。
認知機能の低下は止めることができず、患者は年々記憶を喪失していきます。そして、認知症そのものを元に戻すことは困難なのです。
想像してみてください。
自分の人生にとってとても大事にしている思い出が、メモリーから消えてしまう状況を。
大好きな人と笑いあったあの出来事や、とてもうれしかった思い出。
だんだんと思い出せなくなり、ついには忘れてしまうのです。こんなつらいことがあるでしょうか。
アルツハイマーの重度では、人間性を失って存在自体が全く変わってしまう(別人)になってしまうのです。「わたし」がわたしで無くなり、「大事な人」があのひとでなくなるわけです。
アルツハイマー型認知症に関する医学論文は5万以上あるようですが、なぜ発症したのかについて言及しているものはないそうです。
デール・ブレデセン博士は、脳細胞をシャーレで培養し、脳細胞のシナプスにあるアミノ酸鎖を分析しました。DNA解析から遺伝的傾向も示唆されましたが、生活環境(ライフスタイル)が認知症進行に与える影響が大きいことを突き止めました。
ブレデセン博士のところには今日も様々な患者がやってきます。
アルツハイマーの自分の状態に絶望し、自殺用の薬も携帯している女性は、3ケ月の治療で活力がアップし記憶が改善しています。みな口々に、3~9か月の治療で生活が変わるというのです。
アルツハイマーはライフスタイルに関係しており、脳の働きが由来しているのではない!
アルツハイマーの初期症状として「短期記憶障害」(MCI)が挙げられます。ついさっきのこと、つい昨日のことを忘れてしまうというものですが、これは私にだって多々あります(;^_^A
物忘れは老化現象の一つですが、アルツハイマー型認知症の15%は5年前からこの短期記憶障害を発症しているそうです。
日頃から頭を使うための脳トレアプリ「BrainHQ」も開発され、アンドロイドでもマック製品でも楽しむことができます。私もさっそくインストールして無料トライアルをやってみました。
さまざまなメニューがありますが、ちょっと緊張感があるゲームのような感じ笑。俊敏性や集中力が求められますよ^^。
日本では認知症の評価は「長谷川スケール」というのが一般的ですが、映画の中で取り上げられたのは「MoCaテスト」というものでした。これは、アルツハイマーやパーキンソン、脳血管障害などの認知機能低下を評価するもので、長谷川スケールと同じように30点満点で評価していきます。
脳トレをしながら、自分の認知機能を評価できたところで。。。ようやく次は核心の部分ですね!
脳の健康を維持するための戦略
今日から実践できる生活改善、大きく分けて5項目あります。
- 野菜中心の食事
- 運動(毎日30分の有酸素運動、4回/週のウエイトトレーニング)
- 睡眠(毎日8時間以上)
- ストレス調整(呼吸法や瞑想など)
- 短時間断食(寝る前3時間は食べない、夕食~朝食まで12時間以上あける)
加えて、生活環境としては、カビや湿気の撃退!
慢性関節リウマチなどのように湿気による影響も指摘されているように、カビが健康上に与える影響は大きいようです。また、身体内にカビを繁殖させる(真菌傾向の体)抗生物質の過剰投与も避けるべき項目です。
インスリン感受性も関与していることから、健診などで血糖異常をきたしやすいタイプの人や、親や兄弟に糖尿病の持病がある人などは遺伝的な傾向も否定できません。砂糖を控えることも博士の治療の一つに入っていました。
確かに、糖尿病傾向の方は認知症の確立が高まるのは、私も肌感覚で感じます。
それともう一つ、とても興味深かったことが
歯周炎の治療
歯周炎の細菌は血中を介し脳に侵入しアルツハイマー型認知症の引き金をつくるというのです。
歯が悪いとボケやすい、と聞いたことがありますよね。噛まないとボケるなどとも言われていますが、主には歯周疾患に由来する歯の喪失が認知症進行に多大な影響を与えるということも。
良い歯医者を見つけて末永くメンテナンスを続けることが大事なようです。
デール・ブレデセン博士の開発した治療方法によって、次の4つがアップするそうです。
- 言語機能
- 実行機能
- 精神運動速度
- 認知の柔軟性
また、脳MRI上も23%の患者に脳の萎縮の改善が見られたというのですからスゴイことですね!
より詳しいことが知りたい方は、ぜひ映画を鑑賞なさるか博士の書籍も日本語で出版されています。
「アルツハイマー病 真実と終焉」
こちらも併せてお読みください。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます~ルンルン
#アルツハイマー
#認知症
#デールブレデセン
#長谷川スケール